[L'Etranger Blog]
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The Pogues at Shibuya-AX


 今年初めての台風が関東に上陸した日だった。7月26日。念願のThe Poguesのライブを観た。しかもShane MacGowanを含めたオリジナルメンバーだ。こんな日が来るとは正直思ってもみなかった。
 The PoguesはShane MacGowanを中心に1982年にロンドンで結成された。故国のアイリッシュ・トラッドをパンクを通過した性急で破天荒な演奏スタイルで展開したようなバンドである。言ってしまえば、パブで手練れのよっぱらいが勢いにまかせて自国の民謡やっているような感じ。これがまた泣かせるのだ。トラッドとオリジナル半々くらいだった「Red Roses for Me」に続き、セカンドアルバムの「Rum Sodomy & the Lash」はElvis Costelloをプロデューサーに迎え制作され徐々に注目されるようになる。その後1987年Dublinersとのシングル「The Irish Rover」がイギリスで初のベストテン入りし(僕はこの頃から彼らのファン)、同じ年の年末、Kirsty MacCollとの名曲「Fairytale of New York」が大ヒット。この曲を含むアルバム「If I Should Fall From Grace With God」が彼らの最高傑作であり代表作となった。それまでメンバーの入れ替わりが時にあったのだが、このアルバムで今の8人が揃う事になる。当時僕は高校生だったのだが、いったい何回このアルバムを聴いたかわからない。この後も何枚かアルバムを出すのだが(Joe Strummerがプロデュースした作品もある)、1991年日本のツアーの時の出来事がきっかけでメインのShane MacGowanが脱退してしまう。これはツアーの精神的圧迫やグループ内での問題、その為よれよれの状態でも酒を飲み続けたShane、そしてそれを気づかうメンバーの出した結果であった。当時はライブで歌もMCもまともにできないばかりか、マイクも握れずタバコに火もつけるのも難しかったとのことである。Shane脱退後のThe Poguesは、残ったメンバーで2枚アルバムを発表したもののその後1996年に解散状態に。Shaneの方は酒を飲みながら社会復帰し、自らのバンドThe Popes(このあたり未練を感じる)を率いて活動を続けていた。その後、数年を経て昨年イギリスでライブをしたとの噂を聞いていたのだが・・・。そして今回の日本公演である。復活したオリジナルメンバーで講演するのはイギリス、アイルランド以外では初との事で、フジロックフェスティバルに先駆けての公演となる。
 さて、当日は前述したように台風直撃のニュースもあり、コンサート前は雨が降ったり止んだりであった。少し早めに到着し、ジントニックを飲みながらのんびり待つ。近くで待っていた方と意気投合しThe Poguesの話題で盛り上がる。その方も数年来のファンで、1990年の公演も見に行かれたそうだ。育った環境もThe Poguesを聴いていた環境もまるで異なるのに、何故か懐かしいような感触であった。そんな感じで開場までにはいい感じで酔っぱらっていた。開場後はTシャツを横目に(欲しかったけど)、前の方の場所を死守して登場を待った。全席立ち見なのだ。こんなにアーティストが出てくるまでにドキドキしたライブはない。他のメンバーはまだしも、Shaneはホントに出てくるのか?酔いつぶれているのではないか?いざ出てきても歌えるのか?・・・果たして開演の19時から20分遅れて彼らは現れた。出囃子はThe Clashの「Straight to Hell」。何とも粋な計らいである。Shaneだよ、Shane。本当にShaneだよ。最初のナンバーは「Streams Of Whiskey」。もうここから観客の反応は最高潮。ほとんど全ての歌詞をみんなで大合唱。踊るわ、飛び跳ねるわ、奇声を上げるわ、僕のいた前の方はもみくちゃ状態。何人もが頭の上をダイブしステージ下に送られていった。彼らの袖に引っ込んでいく時のにこにこした表情と、何でこんな民謡で盛り上がっているのかわからないといった感じの係員の表情が対照的で印象的であった。長い間解散状態であった事もあり、演奏される曲はほとんど当時の曲で、ファンからすればヒットパレードにほかならない。結局みんなどの曲も大声で歌った。
 しかし、みんな経た年月とともに老けた。メンバー8人中3人が禿げてしまっており、当時の面影をわずかに残すのみである。そしてShaneはかなり太っていた。アイルランドかそこらのお土産によくあるヨッパライの陶磁器さながらである。とはいえ、やはりみんな演奏はうまい。当時の曲のスピードそのままの勢いを保っている。Shaneもよく歌えている。というか、Shaneが目の前で歌っているという事実だけで感激なのだが・・・。やはりきついのか、2,3曲歌っては袖に引っ込み、その間他のメンバーがボーカルを取っていた。おかしいのは、袖から出てきたShaneの持っているコップ(おそらくジントニックか何か)がまたなみなみと一杯になっている事だ。「White City」での変な踊りもそのままであったし、指に酒をつけて観客に聖水さながらぴっぴっと飛ばしたりもしていた。アンコールは4曲。名曲「Sally MacLennane」も演ってくれたし、ラストはお祭りソング「Fiesta」!みんなお祭り状態で大騒ぎし奇跡の公演は幕を閉じた。終わった後もしばらくはみんなその場を動かずシェーン・コールが続いていた(僕もだが)。「Fairytale Of New York」は演らなかったが、今は亡きJoe StrummerもKirsty MacCollもこの場にいる。そしてThe Poguesは生きている。そんなライブであった。
 会場を出て開演前に意気投合した方とビールを飲みながら笑っていた。汗だくだくであった。いつの間にか台風はどこかに行ったらしく、風は凪いでおり雨は上がっていた。次はいつ彼らのライブが観れるのだろうか。愛すべき酔いどれ達。酒もいいのだが、また元気な姿で彼らの歌を聴きたい。同じように騒ぎたい。そう思わずにはいられない夜であった。

ライブの写真
WARNERによるライブレポート
Official Site

コメント(4)| Track back(0) | 2005-07-28 10:10:33

■ NO TITLE
AXでやってたんですか、全然知らなかった。
AXって私の仕事場から100mくらいのところ、今もこれを書いてる窓から見えてます。(笑)

>メンバー8人中3人が禿げてしまっており
これはウケました。年齢には勝てないですね。
で、指は6本のままでしたか?
(ってあのジャケットは本人じゃないか。笑)
マロ (2005-09-14 10:41:19)


■ 100m!
これまたすごく近いですね!
では次回ここで何かライブがある時はマロさんの仕事場から直行することにします。しかも、ライブが終わったら汗だくでビール片手に押し掛ける事にしますね(すごい迷惑)。

>年齢には勝てないですね。
そうですよね。当時から言えば20年近く年月が経っていますから・・・。僕自身も同じく年取りましたしね。でもふとあの頃に戻ったみたいではしゃぎましたよ。ライブにきていた同年代の方達もそういう人が多いのではないでしょうかね。
Yoshinori (2005-09-14 11:28:59)

■ NO TITLE
>すごい迷惑
そんなことないですよ。
控室がわりに利用してください。(笑)

AXが100mですから代々木体育館も100m、NHKホールが150mくらいで、渋谷公会堂は50m。
渋公のコンサートのときなどは開演5分前くらいに『んじゃ、ちょっくら行ってくるか』ってな感じで出掛けてます。
渋谷のコンサートには大変便利な仕事場です。(仕事と全然関係ないけど。笑)

>あの頃に戻ったみたいで
それはそれは、良いコンサートだったのですね。
その種のノスタルジー系のコンサートは、演奏がヒドイと『思い出のあの頃』に戻れない場合がありますからね。
良かった良かった。。。
マロ (2005-09-16 10:56:11)

■ >マロさん
どうもありがとうございます。では、何かとお邪魔させていただきます。手土産はお酒がいいですか?しかし、何かと便利そうな職場ですね(僕だと仕事どころではなくなりそうな・・・)。
Yoshinori (2005-09-23 15:11:34)

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